積木とおおきさ
積木と基尺
2008.04.22 - 2009.03.23
積木には、立方体の一辺の長さを基準にした大きさの単位=<基尺>がある。いろいろな大きさの積木があるので、基尺でもって相互接続を保証するわけだ。日本と欧州には:
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- 25ミリ
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- 30ミリ
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- 33ミリ
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- 35ミリ
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- 38ミリ
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- 40ミリ
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- 45ミリ
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- 50ミリ
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- 55ミリ
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- 60ミリ
などの基尺グループがある(※1)(※2)(※3)。
基尺が違えばいっしょに使えないかというと、そうでもない。たとえば:
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- 1:2……25ミリは50ミリの半分(1:2)だから、25ミリを2つ積めば50ミリの高さに合う。30ミリと60ミリも同様に1:2の関係にある。
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- 2:3……30ミリと45ミリは2:3の関係だから、30ミリ3つで、40ミリ2つの高さに合う。また33ミリは100ミリの1/3なので、33ミリと50ミリも2:3の関係にある(25ミリと33ミリも同様)。
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- 3:4……30ミリと40ミリはすこし厳しいが、それでも3:4という整数比だから、合せられないことはない(ただ積木のセットには、たいてい基尺の半分の直方体がある。40ミリには20ミリの直方体があるから、それを使えば、40+20=60ミリ:30×2=60ミリとすることができる)。
- ※1
- 基尺にこれだけバリエーションがあるのは、歴史的/地理的/身体的な理由がある。歴史的/地理的には、各国の度量衡の違いと変遷がある(たとえば欧州の積木に25/40/50ミリが多く、日本に30/45ミリが多いのは、こういった背景が一因):
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- 33ミリ/40ミリ……メートル法に依拠(33ミリは、0.1メールの1/3)
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- 25ミリ/50ミリ……ヤード法に依拠(1インチは約25ミリ)
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- 35ミリ……ユニット・ブロックの基尺に依拠(ユニット・ブロックはヤード法基準だが、その短辺は約35ミリ)
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- 30ミリ/45ミリ/60ミリ……日本の尺貫法〜曲尺などに依拠(1寸は約30ミリ)
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- 38ミリ……日本の尺貫法〜鯨尺に依拠(1寸は約38ミリ)
- 身体的には、子供の発達がある。たとえば日本の玩具安全基準STでは、誤飲を防ぐためのテスト円筒の直径が、3歳未満で31.8ミリ、1歳半未満で42.7ミリ、などと決められている。また一般に、小さな子供は大きな積木の方がうまく扱えるが、大きな積木は細かい造形に適さない(たとえば40ミリの積木は、基尺をセンチ単位で決めるときの、誤飲の危険性と造形のし易さの境界線上にある)……発達にあわせて選べる積木のセットは、基尺のステップをせいぜい0.5倍程度に抑えつつ、オプションの幅を広げている。
- ※2
- 米国ではインチ基準の積木が主流で、これはユニット・ブロックと呼ばれている。
- ※3
- シュタイナー/ウォルドルフの積木など、基尺という概念をもたないものもある。