創造する玩具


primitive forms in the mind

物語の創造 〜 ココロの無限のデザイン 〜

物語の創造 〜 ココロの無限のデザイン 〜

2009.01.23

物語は、ヒトの行動を支配する心理的なエンジンだと思う。どんな物語を好むか/語るかが、その人のふるまいを決定する(※1)。

そして、ドールハウスやごっこ遊びで楽しく遊ぼうと思ったら、物語こそ核となる(これらの遊びにストーリーがともなわないことはなく、あったとしたらそれは遊びというより訓練に近い)……そこで遊び手はいやおうなく、自分の(自分がより好む)物語を創出していくことになる。

もちろん物語の創造は、模倣から始まる(はじめは日常の親との生活/絵本のお話しなどがコピー元になるだろう)。ただしストーリーならなんでも遊びに取り入れるということはなく、持ち込みたいものしか持ち込まない……だからこの取捨選択を行っている時点で、すでにりっぱな創造なのだけれど……いずれにしてもその選別の指向が強まるとコピーではもの足りなくなり(コピー元のストーリーには不純物がある)、自分がもっとも好む状況=<舞台設定と登場人物とお話し>を生み出していく。

そしてたぶん、これまで人が語ってきた物語にひとつとして同じものはない……物語は数学ほど自由でないが(※2)、それでもそれが無限にあることは保証されているのだから。

※1
自律できるということは、自分の物語を持つ、ということでもある。
※2
物語には統語上の制約がつきまとう(あまりにとっぴなストーリーは物語として成り立たない)。