紙による立体造形 〜 外観の設計技法 〜
紙による立体造形 〜 外観の設計技法 〜
2009.10.16
紙による立体造形は、モノを外観からかたちづくる手法のひとつだ[※1][※2]。
ただ紙は(鉄などにくらべると)変形させにくいため、その表面は、平面/円柱/円錐とその変型(切れ込みを入れたパーツ)を組み合わせたものとなる。理屈のうえではパーツはいくらでも小さくできるから、いくらでも作りたいモノのカタチに近づけることができるが、そのぶんパーツ数は増え、制作作業は難航する……だから紙による立体造形は、カタチの簡略化(デフォルメ)と作業性のトレードオフだ。
いまでは、そのトレードオフの試行を支援するソフト/ハードも多く提供されている。これらを使えば、紙を使ってリアルな造形を目指せ、しかもすばやく作ることができる:
なお紙は、引っぱりに対する強度が大きく/それだけ細かい造形ができる。この性質を生かし、かつ押しつぶす方向への強度不足を補う工夫をすれば(パーツを折り曲げる/丸めるなど)、十分に動作するからくり細工を作ることができる(からくりペーパー・クラフト)[※3]:
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- フライングピッグ社、ロブ・アイブス氏[→ http://www.flyin ...]
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- ペーパーマシーン社、ヴァルター・ルフラー氏[→ http://www.walte ...]
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- 紙工房、坂啓典[→ http://www.zuko. ...]
- ※1
- この手法は、(素材が木/鉄/プラスチックに置き換わるものの)道具/家具/建物、自動車/船舶/航空機など、日常のあらゆる製造物の設計に使われている。
- ※2
- これに対し粘土による造形は、モノを内部から作り込んでいく手法といえる。
- ※3
- こういった特性は粘土にはない(欠けやすく/折れやすい)。だから細かいパーツを使い/あるていど強度のある立体モノを作るなら、粘土より紙の方が向いている。