レゴとのつきあい方(その可能性、基本パーツ、メカニズムの基礎)
レゴの可能性
レゴ・ブロックの可能性を示す、多彩な作品群:
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- 全般(レゴ作品の投稿サイト):
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- 作品の投稿[→ http://www.brick ...]
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- オブジェとモザイク(彫像/積分モデル/平面モザイク):
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- 作品集:Nathan Sawaya(※1)[→ http://brickarti ...]
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- 公式サイト:Eric C. Harshbarger[→ http://www.erich ...]
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- 紹介記事:Eric C. Harshbarger[→ http://wiredvisi ...]
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- 作品集:Andrew Lipson(※2)[→ http://www.andre ...]
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- 作品集:Henry Lim[→ http://www.henry ...]
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- 作品集:秋長さちこ氏(※3)[→ http://www.lets- ...]
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- 作品集:けん・たっきい氏[→ http://www.ken-t ...]
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- 作品集:ミトゥィー氏[→ http://www.geoci ...]
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- 作品集:伊藤氏(※4)[→ http://home.att. ...]
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- じっさいに弾けるハープシコード[→ http://www.henry ...]
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- ちいさいおうち立体化計画(※5)[→ http://www.ken-t ...]
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- 戦艦大和(1/40)[→ http://www.geoci ...]
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- レゴによるオブジェとモザイク、造形がすばらしい
- ※2
- エッシャーの作品を模したものも
- ※3
- かわいい系の秀逸な作品群
- ※4
- 詩情あふれる情景作品
- ※5
- 絵本「ちいさいおうち」の世界をレゴで再現
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- メカニズムとメカトロニクス(ギアとリンク/センサとコンピュータ):
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- 作品集:JP Brown[→ http://www.jpbro ...]
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- 作品集:ナガタ・ジョー氏/joe nagata[→ http://homepage3 ...]
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- 作品集:五十川芳仁氏[→ http://www.isoga ...]
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- 事例集:ちゃーりー田中氏(※1)[→ http://park18.wa ...]
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- レゴによる階差機関[→ http://acarol.wo ...]
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- ルービックキューブを解くマシン[→ http://jpbrown.i ...]
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- レゴ・チューリング・マシンの解説[→ http://mapageweb ...]
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- レゴの色を音に変換[→ http://www.youtu ...]
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- 音楽ソフト「max/msp 」とレゴを組み合わせて演奏
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- フィギュア(ミニフィグ系):
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- レゴによる聖書物語[→ http://www.thebr ...]
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- スターウォーズをレゴで再現[→ http://www5b.big ...]
レゴと基本パーツ
レゴを買い求めに玩具店に行くと、あまりに多くのパッケージがあるのにとまどう。しかもブロック玩具なのに、モデルキットのような特殊なパーツが盛りだくさん……その節操のなさにもあきれる……
レゴ社のブロック製品はパーツもパッケージも極端に種類が豊富で、世代交代も早い。だから昔のパーツ/パッケージが入手できないことはよくあるし、いま売っているものもいつまで提供されるか分からない。また映画作品などと連携して開発されたパッケージには、たいてい(その機体や建物を再現するために)専用のパーツ群が付いてくる。
ただ、レゴ社の理念とブロック製品の基本設計は、創業以来かわらない。昔のパーツと今のパーツがくっつかないということはないし、すくなくとも(4×8ポッチの直方体を核とする)基本のパーツ群については、ずっと生産が続けられてきた。
レゴを(プラモデルのような)キットではなく、(自由に組み立てるための)ブロック玩具として純粋に遊びたいなら、小売店にあるパッケージを買うのはいい選択ではない。<長く使える>パーツだけを求めようとすると、けっきょくはパーツ単位で買うほうが安くなるからだ。
その要望に応えてくれるのが、レゴのパーツ売りショップ。日本では数は少ないが、それでも継続して営業している:
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- デジラ(レゴ・ブロック全般)[→ http://dgla.jp/]
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- シトラス(マインドストーム系に特化)[→ http://www.yamak ...]
そもそもレゴにどんなパーツがあるか知りたいなら、次のサイトが教えてくれる:
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- レゴ・パーツの網羅的データベース[→ http://guide.lug ...]
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- パッケージとそれに含まれるパーツ[→ http://www.peero ...]
レゴでモザイクを作るなら、次のカラー表が参考になる:
- ・
- レゴの色一覧[→ http://www.peero ...]
- ※
- 海外ではレゴ社自身が通販サイトを運営しそこでパーツも販売しているが、残念ながら日本からは(通常のやり方では)利用できない:
- ・
- レゴ社の通販サイト[→ http://shop.lego ...]
レゴとメカニズム
レゴの醍醐味のひとつに、ただブロックを組み立てるだけでなく、それを<動かせる>という点がある。
レゴ・ブロックに、ヒンジ(蝶番)系やボール・ジョイント(球)系のパーツを加えれば、手足が動く動物や人形を作ることができる。「テクニック」系の部品を組み合わせれば、ギアやリンクを使った<機械>を製作できる。さらに「マインドストーム」系のパーツを使えば、作った可動ブロックをコンピュータで制御できる……幼児の玩具とメカトロニクスが、シームレスにつながる。
ただ、作るものが機械のように複雑になってくると、<メカニズム(機構)>について理解があるほうが、作業は早い(ギアをどう挟めば望みの速さを得られるか、リンクをどう組めば望みの動きを得られるか……そういった知識の蓄積は、機構学にある)。
そこで、この本(いずれも五十川芳仁氏による著作):
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- ブロックで作るキカイの本(回る・伝える・きほんのしくみ)[→ http://www.amazo ...]
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- ブロックで作るキカイの本(歩く・いろいろ・ふくざつなしくみ)[→ http://www.amazo ...]
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- ブロックで作るキカイの本(走る・曲がる・車のしくみ)[→ http://www.amazo ...]
レゴ・ブロックを使った<動く>サンプルが満載。しかもひとつひとつの作例は、単一のメカニズム(機構)を切り出したもので、ひたすらミニマム。これら最小のモジュールを組み合わせることで、より複雑なしかけを作れるよう配慮されている(※1)。
- ※1
- これには前身といえる別の本があり、こちらも完成度が高かった(下記)。ただ絶版となり、図書館で借りるか中古を高値で買うしかない、という状況が続いていた(とはいえ図書館でも子どもを含め人気の本だったから、みながいつでも借りれたわけではない)。復刊の希望は多数寄せられたが、版元との交渉は難航……著者はその状況を打開しようと、(前著に著作権上抵触しない)新しい本を自腹で作り、電子化(PDF化)し、それをネット上でシェアウェアとして公開した(!)。それが上の本につながっていく。
- ・
- 復刊ドットコム:「レゴのしくみで遊ぶ本」[→ http://www.fukka ...]
レゴ/lego
copyright: lego reference: http://www.lego.com/ |
小さな直方体を基準としたブロック玩具(※1)。
基本パーツのサイズは:
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- 5/16 in = 7.93 mm …… スタッド1コ分のブロックの横幅
- ・
- 6/16 in = 9.52 mm …… ブロック1コの高さ(スタッドふくまず)
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- 2/16 in = 3.17 mm …… プレート1コの高さ(スタッドふくまず)
- ・
- 1/16 in = 1.58 mm …… スタッド1コの高さ
- ・
- 3/16 in = 4.76 mm …… プレート1コ+スタッド1コの高さ
レゴ・ブロックの最大の特徴は拡張性。幼児向けの大きめのブロック遊びから、コンピュータ制御まで、はば広く対応している。これほど多様な広がりをもつ構成玩具は、いまのところレゴ社のこの製品しかない。
- ※1
- この系統のブロックは、基本パーツを立方体にした方が、3次元のどの方向からも組みやすくなり問題はすくない。それをあえて直方体にしたのは、見た目や/掴んだときのなじみやすさ、といった点を重視したからかもしれない(コア・パーツである2×4スタッドのブロックは、短辺:高さの比率が5:3となっているが、これは黄金比に近い)。
- 制作
- レゴ/lego
- 参照
- 公式サイト[→ http://www.lego. ...]
レゴブロック穴パンチ(紙とあそぶレゴブロック)
紙をレゴ・ブロックに挟めるようにする、穴パンチ。
紙の望みの位置に、標準ブロックの1ポッチ分の穴を正確に空けることができる。
- 制作
- 良品計画
- 参照
- 公式サイト[→ http://www.muji. ...]
レゴ・テクニック/lego technic
copyright: lego reference: http://www.lego.com/ |
レゴ・ブロックの一系統で、ギアやリンクなどから成る<機械>を作ることのできるシリーズ。
ただしこのシリーズ、大きく2系統に分かれている:
- ・
- 旧テクニック系……最初のシリーズ。レゴの通常パーツ(縦横の短辺:高さの比が5:3)の側面に、一列に穴を空けたバー(=ビーム)が基本となる。それまでのレゴ・ブロックの流儀を踏襲しているため、<積む>という組み方を排除しきれず/縦横と高さの比が<単純な整数比ではない>という欠点もなくすことはできなかった。機構をつくるには組みにくく/それなりに注意して作らないと完成品も脆くなる。
- ・
- 新テクニック系……現行のシリーズ。レゴの新規パーツである、縦横:高さの比が1:1のバー(=リフト・アーム)が基本となる。またこのバーからはスタッドがなくなっているため、ユーザはなかば強制的に、コネクタを使った組み方にシフトさせられてしまう。素直に組めば、完成品は丈夫で/シンプルになる。
新テクニック系は、レゴの歴史のなかでも画期的なシリーズだと思う。(フィッシャーテクニックなどもそうだが)機構をつくるブロックの場合、立方体を基準にしたパーツ構成のほうが組みやすい。レゴ・ブロックの5:3のポリシーは旧テクニック・シリーズでも変わることがなかったが、新シリーズでついに<縦横:高さの比1:1>(=立方体)のブロックが出現した、ということになる。
- 制作
- レゴ/lego
- 参照
- 公式サイト[→ http://technic.l ...]
レゴ・マインドストーム/lego mindstorms
copyright: lego reference: http://www.lego.com/ |
MITメディアラボ、ミッチェル・レズニック氏の研究室から生まれたロボット玩具。
レゴ・ブロックの一系統で、可動ブロックを自動で動かすことを目的とする。「テクニック」シリーズに、次の部品が加えられたもの:
- ・
- 中央ユニット……CPUと電源系統を埋め込んだブロック。
- ・
- センサ……外部の状況を探知するユニット。光度、接触、傾き、などを検知できる。
- ・
- モータ……回転運動を提供する(この運動をリンク機構などを使って、さまざまな動きに変換することができる)。
- ・
- ライト、サウンド発信器
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- 赤外線コントローラ……遠隔からモータの動作を制御できる。
- ・
- ソフトウェア……パソコンで動かす。センサ類からの情報を得て、モータ群を制御するプログラムを書くことができる。
このシリーズは、大きく2系統に分かれている:
- ・
- 旧マインドストーム系……フレームは旧テクニック系を使用(組み上がるものは比較的脆い)。モータやセンサは単純な機能しかもたない(回転数固定のモータ、モノクロ識別のみのセンサ、など)。
- ・
- 新マインドストーム系……フレームは新テクニック系を使用(組み上がるものは比較的頑丈)。モータやセンサには最新の技術が取り入れられている(とくにモータがサーボモータに変わったため、ロボットのようなものはリンク機構を使わなくとも作れるようになっている)。
2009年末、旧版の中央ユニット=RCXのサポートが終了。
雑感:
個人的には、旧マインドストーム系がなくなるのは残念。サーボモータが主体になるのは時代の流れだろうけれど、リンク機構で動作を工夫する前シリーズの方が<工作>の感覚をより刺激してくれたように思う。
- 制作
- レゴ/lego
- 参照
- 公式サイト[→ http://mindstorm ...]
レゴ・フレンズ/lego friends
copyright: lego reference: http://www.lego.com/ |
レゴのドールハウス。2012年発売。
レゴが女児向けのブロック玩具をこれほどの勢いで出してくるとは……リサーチと開発に4年をかけたというけれど、たしかに女の子のごっこ遊びをよく研究しているという感じはする。
このセット、ドールハウスの外壁は草花とシールで覆われ、部屋のなかはたくさんの小物。裏側の壁は、屋内にアクセスしやすいように取り払われている。華やかで遊びやすい。が、家のシルエットはとてもシンプルで平面的。こういう構造は、概観の立体感や詳細さを追求してきたこれまでのレゴ製品にはなかった。反対に人形は頭身が高くなり、従来の記号っぽいミニフィグから、リアルなミニドールに変わった。ロールプレイのための物語も提供され、あきらかに主役が家(モノ)から人(対人)に移っている。たしかにこれは女児のための玩具だ。
とはいえそこはレゴ。ハウスの所有者をDIYに誘導するしかけも忘れない。ドールハウスはモジュール式になっているので(すべての部屋のサイズは8×16ポッチに統一されている)、部屋を組み替えて遊ぶことができる。そしてもちろんブロック玩具だから、オリジナルの部屋や小物を自作し、加えていくことができる……ほんらいのドールハウス遊びには針と糸/のこぎりとかなづちで家具を自作する楽しみがあるが、それをブロックで再現したかたちだ。女児の<世話好き/お話好き>という嗜好に、ブロックによる<簡易な創造>を組み入れようとするその努力……
日本人にとって嬉しいのは、人形にバタくささがなくなったこと。ふつうに<カワイイ>ので、子供も欲しがってくれる。
- 制作
- レゴ/lego
- 参照
- 公式サイト:日本[→ http://friends.l ...]