色のパーツ(=表色系)は、3原色をベースにしている(※1)。
ただしこの<3>という数字に、物理的な意味はない。色の違いは光(電磁波)の周波数で決まるが、その周波数群をあえて3つ(というか2つであろうと4つであろうと)に分けるような基準など、自然界にはないからだ。
3原色は、いまのヒトの特性に依っている(ヒト以外の生物/機械には役立たないし、未来のヒトには合わないかもしれない)……人間は、光の周波数については3つのパターンに反応する器官しか持たない(L/M/Sの3つの錐体細胞)。それらの器官の感受ピークがそれぞれ長中短の帯域内(560nm / 530nm / 420nm あたり)にあり、それらで感じられる色の原色を、赤/緑/青と名づけただけのことだ(※2)。
しかもこの3原色には奇妙な制約がある。自然界では、ことなる周波数の波を合わせても、それらの波はたがいに独立し区別できる。でもヒトの3原色では、単色光(ひとつの周波数からなる光)の混合が、べつの単色にみえる!(たとえば赤と緑を合わせると黄になるが、これはM/Sの2つの錐体細胞が刺激されたことに対して、ヒトの認知システムがそのように演出したものだ……こういった特性があるので、<赤と緑の混食光>と<黄の単色光>はまったく違う波なのに、ヒトはそれらを区別できない)(※4)(※5)。
ヒトの祖先はもともと4原色の生物だったが、その後(暗闇の中で生きるようになったので?)2原色に減り、さらにその後(樹上で生活するようになったので?)3原色に増えた、という説もある。いずれにしてもヒトの進化の果てに、獲得する原色の数が増減すれば、いまの表色系は使えなくなってしまう(あるいは錐体細胞の感受パターンがズレるだけでも、色相の構成が変わってしまう)。3原色は人の文化に深く根づいているが、それが将来に渡って安泰かというと、ちょっと微妙なのかしれない。